脳の老化を防ぐ!体操で認知症を予防しよう
シニア・高齢者専門の出張体操教室を開催しているちょけん先生と申します。私は長年、高齢者・シニア向けの体操指導に携わってきました。今回のブログでは、高齢期に体操を続けることで、認知症を予防できるということについてお話ししたいと思います。
運動不足が認知機能低下のリスクに
近年、高齢者の認知症発症リスクが高まっている要因の一つとして、運動不足が指摘されています。内閣府の調査によると、65歳以上の高齢者の約4人に1人が運動習慣を持っていないことが分かっています(内閣府 2021年版高齢社会白書)。
運動不足は、肥満や生活習慣病などの身体的リスクだけでなく、脳の健康にも影響を及ぼします。東北大学病院の研究では、運動不足が認知機能の低下を招き、認知症発症リスクを高める一因となることが判明しています。つまり、高齢期に運動を欠かすと、脳の活性が失われ、物忘れなどの認知症状につながる可能性があるのです。
体操で脳を活性化させる
一方で、適度な運動を続けることは、脳の活性化につながり、認知症のリスクを下げる効果があります。東京大学の研究では、有酸素運動を行うと、脳内で新しい神経細胞が生まれる過程(神経新生)が促進されることが確認されています(東京大学先端科学技術研究センター 2019年)。また、全身運動をすると前頭前野の活動が高まり、注意力や判断力、記憶力など様々な認知機能が向上するとの結果が出ています。
体操は、バランス運動や手足を交互に動かすようなステップ運動など、全身を使う運動が多く含まれています。これらの運動は、脳の両半球をバランス良く使う必要があるため、脳を総合的に活性化させる効果があるのです。
仲間と集う環境も大切
認知症予防という面から考えると、体操は個人で行うよりも、集団でするほうが続けやすく、効果も期待できます。集団活動に参加することで、人と交流を持ち、社会的な孤立を防ぐことができます。単に身体を動かすだけでなく、新しい仲間づくりにもつながり、生きがいややる気の源になります。
実際に、厚生労働省の調査によると、週1回以上の運動を行い、かつ同時に何らかの地域活動に参加している高齢者は、活動に参加していない人に比べて認知症発症リスクが28%低いことが分かっています(厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013)。つまり、体を動かすだけでなく、社会参加する環境作りも、認知症予防には欠かせないのです。
ちょけん体操について
出張ちょけん体操では、高齢者・シニアの方々に、楽しく無理なく体を動かしていただける体操・トレーニングプログラムを提供しています。
≪ちょけん体操の特徴≫
- 椅子に座ったままおこなうチェア体操
- 筋力トレーニング、バランス運動、脳トレを組み合わせた内容
- ゲーム形式の運動も取り入れ、レクリエーション的な要素も
- 同じ地域のメンバーと交流できる良い機会に
- 地域包括支援センターや介護施設への出張レッスンにも対応
体を動かすことで、脳の活性化を図り、仲間との交流も深められます。一人ひとりが明るく活き活きとした表情を取り戻せるよう、ちょけん先生一同、全力でサポートさせていただきます。
動き続けることで、健やかな毎日が送れる。高齢期だからこそ、無理のない範囲で体を動かし、脳も活性化させることが大切です。地域の皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
参考URL
- 内閣府(2021)「令和3年版高齢社会白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html - 東北大学病院(2020)「運動不足が認知症リスクに?適度な運動が認知機能を維持」
https://www.hosp.tohoku.ac.jp/newhp/info/info_20200716_2.html - 東京大学先端科学技術研究センター(2019)「運動で増える神経細胞新生が認知症発症リスクを低下させる可能性」
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0508_00107.html